2014年9月26日金曜日

アバクロが衰退した原因はどこにあるのか



若者に絶大な人気を誇り、強気の経営をしてきた米国アパレルブランドのアバクロンビー&フィッチが苦境に立たされている。2010年以降、米国内で既に220店舗を閉店しているが、さらに2014年内に60店舗を閉店する予定だという。

日本では2009年、銀座に第1号店をオープンさせ、翌年には国内最大となる福岡店をオープンしたがビジネスは不調だ。福岡店に関しては、オープンからたった1年でCEOのマイケル・ジェフリーズが「福岡に進出すべきではなかった」と見切りをつけている。現在は、旗艦店からアウトレットに形態を変更させるなど、撤退に向けて準備を進めている。

アバクロといえば、ブランドの世界観を伝える店舗での演出が特徴的だ。暗めの照明と大音量の音楽が流れるクラブ風な店内に、ブランドオリジナルのフレグランスを漂わせている。しかし、最近では若者にそんな演出が敬遠されつつあるようで、これらの演出をトーンダウンさせている。アバクロンビー&フィッチによると、店内は以前より明るくし、音楽の音量を下げ、香りの演出も従来より25%ほど減少させているそうだ。

そして、ブランドがこだわる美しいビジュアルのポスター(上半身裸のマッチョな白人男性など)も、店内から消えてしまった。「クールな美男美女しかターゲットにしない」とか、「ブランドコンセプトはセックスアピール」などと豪語していたアバクロとは思えないほどの変貌ぶりだ。

 業績回復のため改革に乗り出したアバクロを見ると、ビジネスにおいて10代から20代を中心とした今どきの若者をターゲットにする難しさが浮き彫りになってくる。日本の企業にとっても、苦戦しているアバクロから学べることはありそうだ。

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